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cool642tb-mini 勝手にお苦しみビルドログ④ ケース設計編

ご注意

この記事は正規の組み立て手順に則ったビルドログではありませんのでcool642tb-miniの購入者・予定者の方は参考になさらないで下さい。また、「お苦しみ」と題し実際に苦しんでいますが著者が勝手に苦しむ道を選んだだけでcool642tb-miniの不備によるものではありません。

 

前回までのあらすじ

cool642tb-mini 勝手にお苦しみビルドログ③ センサー基板設計編 - 左手にバナナ

苦しみながらもセンサー基板の設計を終えたゴリラ。いよいよ本丸のケース設計へと挑む。

このシリーズの記事一覧はこちら

お苦しみの続き

今回はいよいよケースの設計に着手していきます!楽しい!

まずはオリジナルのケースを見る

cool642tb-miniのケースは私好みのスリムでベゼルレスに近いデザイン。電池をケースごと大胆に露出している点がアクセントになっています。

サンドイッチマウントに近いシンプルな構造ですが、基板の側断面以外はちゃんとカバーされているのでゴミが入る心配が少なく実用的。この基板の側面をポスカで塗ったりマスキングテープを貼ってやることで手軽にカスタマイズを楽しんだりもできるため、フルカバーからの引き算でありながら新たなメリットを生み出している辺りがとても優れています。

 

私はどうするか

さて自作するに当たってオリジナルを模倣しようにも基板の正確なデータが無いので再現は面倒……なので今回は思い切って私の趣味に振り切る事にします。

 

方針は「スリム&ミニマル」とし、具体的には以下の実現を目指すことにしました。

  • オリジナルと同等の薄さ
  • 直線を基調としたシンプルなフォルム
  • 電池は隠す
  • ネジ頭も隠す
  • 基板側面も隠す
  • 電源スイッチやリセットボタンも隠すかデザインのノイズにならないようにする
  • 電池交換は工具レスで行えるようにする

 

一方で頒布を前提としないワンオフなので、歩留まりの考慮や組み立ての容易さ、部品の調達性などは切り捨てます。

 

全体のイメージ

電池を裏に回してチルトスタンドを兼ねる形にしたいと思います。電池はどうしても外形の足かせになるので苦手なのですが、こうして裏側に追いやるデザインを試してみたいと思っていたのです。

※画像はAI生成(以下同)

後になってAppleのあれに似ていると気づきましたがあんなに洗練されていないので許してください。

電池ケース部分

電池を裏に持ってくるのはよいとして、フルカバーにする場合フタをどうするかが悩みどころ。電池交換のたびに工具を引っ張り出す必要がないようにマグネットやスナップフィット、スライドインなど色々悩んだのですが、そんなときに技術書典でこの書籍に出会いました。

booth.pm

色々な可動構造をパーツ分割することなく出力する方法についてわかりやすく書かれていてまさに天啓。一体造形でヒンジ構造を作ってやればパカっと開く便利でカッコいいケースになるのでは!?

こんな感じの構造にチャレンジしてみます。ワクワクしますね。

 

電源スイッチ

電源は毎回最初と最後に押すボタンなのでここには拘りたい*1。今回は一般的なスライドではなくプッシュ式にしてみることにします。

しかし電源ボタンに使う場合セルフロック機構が必要。となると小型や薄型のものが少なく、キーボードには採用しにくいなあ…と思ったところちょうど直径が単4電池と同じくらいのものAliExpressにありました。

これを電池部の側面に配置したらデザインと統一性が出そうです。

シルバーとブラックで迷って結局ブラックにしました。*2

 

電池の接点

こいつを使って何とかします。ばねの側は電源スイッチと一体化させ、ばねじゃない方はケースに付けたツメに固定する想定。

基板との間はジャンパーワイヤーで接続すればよいでしょう。

リセットスイッチ

電池を裏側に持って来る都合上、本来の位置にリセットスイッチを配置できなくなりました。下の写真の位置に電池が乗っかります。

なので適当なタクトスイッチを銅線で引き回して別の場所に配置しようと思っていたのですが、マイコン上のリセットスイッチ(赤丸の位置)をケースの裏から何とかして押せるようにしようと思い立ちました。

 

あまりに小さいボタンなので他の作例でも色々工夫されているようですが今回は少しでも押しやすいようにここも一体造形にしてみたいと思います。

 

トラボケース

こちらは前回述べた通りけぺおさんの公開されている25㎜トラボケースのデータをベースに高さを調節していきます。STEPで公開していただけてるのがとてもありがたい!

 

というわけで設計した

Fusionでしこしこ設計してとりあえずこんな形になりました(右手側)。中間の板はメイン基板です。

上の図では省略していますが、裏蓋にM1.6のインサートナットを熱圧入し、皿ネジで上からねじ止めすることでねじ頭がほとんど隠れる構造になっています。ボールケースの位置合わせが結構大変でした。。

裏の電池ケース部分(左手側)。

設計段階では別のパーツですが、一つのSTLに出力することで一体造形します(上の図は構造が分かりやすいようにずらしていますが出力するときは嚙み合った状態です)。

 

同様にリセットスイッチ部分も一体造形にしてあります。(左手側、断面図)

↓こんな感じ

一体造形部分は最初から組みあがった状態で出力される上に「動くけど取れない」状態で仕上がるため、組み立て不要で紛失の恐れもありません。また、積層が周囲と一致するので高低差もなく積層痕のずれもないため美観も優れます。ただしクリアランスの設定がシビアなの何度も出力と設計を行き来しなければなりませんでした。

 

ホイール型ロータリーエンコーダの部分は紆余曲折あってこのような形になりました。(左手側)

本来ロータリーエンコーダ(RE)は基板にはんだ付けするので上ケースにはREを通す大きな穴が開いているのですが、今回そのような穴をあけるとどうしても隣接スイッチ穴と近すぎて破綻してしまうためREを後付けにする必要がありました。このためピンだけを通す穴を空け、コンスルー化したREを上から取り付ける仕組みにしました。

 

つづく

連載4回にしてやっと形が見えてきましたがまだ完成した現物はセンサー基板のみ。次回はいよいよケースの出力に入りますがこれがまた地獄でした。。

 

goli-lab.hatenablog.com

 

*1:自作PCでも電源ボタンの押し心地が気になる派です

*2:本当は光らせたかったけど小さいのが無かった